ブルターニュ地方ってご存知ですか?
ブルターニュはフランス北西部にある地方です。大西洋に面した半島で古来から独特の文化を築いた地域だそうで、有名なモン・サン・ミシェルもこの地方にあります。
料理のガレットやゲラント塩も有名ですね。
今回行ってきた展示はフランス、ブルターニュ地方を題材にした西洋絵画作品を中心に展示されている企画展になります。
『憧憬(しょうけい)の地 ブルターニュ
―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』
※憧憬…あこがれること。
現在、国立西洋美術館で3月18日から6月11日まで開催されています。
1.なぜブルターニュへ
19世紀後半のフランス、印象派など、数多活躍する芸術家が異郷の地であるブルターニュに訪れて研鑽し沢山作品を残しています。
その中にはターナー、モネ、ゴーガンなどの有名な画家から、日本からも藤田嗣治や黒田清輝などもみられます。
当時は貴族師弟の間で流行していたヨーロッパ各地を巡るグランドツアーが、産業や交通機関の発展や絵画道具の向上などが重なり、色々な層の人々が各地に訪れるようになってきました。そのためブルターニュ観光地としても発展してきました。ちょうどそのような時期に、パリから次々とパリには無い題材を求めて印象派やロマン主義などの画家達がパリとは異なった景観や文化を持つブルターニュへ向かいます。
2.描かれているブルターニュ
様々有名な画家によって描かれているブルターニュは、大西洋に面した切り立った断崖の海岸線の絶景や緩やかな丘陵地帯の牧歌的な風景、ブルターニュ地方独自の衣装に身を包む人々、信仰やお祭り。パリでは描けない魅力があるようです。
今回撮影許可が出ている絵がいくつかありましたので、気に入ったものをあげます。
クロード・モネ 「ポール=ドモアの洞窟」
光の描き方が素敵。行ってみたくなる。
ポール=ゴーガン 「ブルターニュの農婦たち」
モーリス=ドニ 「若い母」
母親の優しい表情と優しい色使い見ていてほほえましくなる。
うさぎちゃんも可愛い。
リュシアン=シモン 「ブルターニュの祭り」
観ていて楽しくなる作品。
3.展示について
今回のブルターニュ展は沢山の協賛がついているのだけれども、海外からの貸出品はなく、全て国立西洋美術館の所蔵品と国内の美術館からの貸出品というのを作品リストを見て少し驚きました。
海外の美術館から貸出を依頼するのも予算がかかるのだろうけども、国内の沢山の美術館と交渉し160点以上の作品と資料を一つのテーマで用意するのは、学芸員の技量だなと感じました。
また前回の浮世絵の企画展でも驚いたのですが、一部写真撮影OKの展示をここでも採用していること。今までは作品の保存の為にフラッシュ撮影禁止されていたのですが、今やデジカメや携帯になり、SNSの普及でより企画展一押しの作品を撮影し投稿してもらうことで美術館に足を運んでもらうように展示も変わってきているのだなと、時代の変化を感じました。
あと音声ガイドを借りたのですが、この企画展では現在フランス在住の女優の杏さんが担当されていました。
4.グッズ
ミュージアムショップではオリジナルグッズの他にフランス輸入の雑貨もありました。
展示の中にはミュシャの絵があったこともあり、ミュシャの缶入りのお菓子は買おうか迷うほど可愛かったです。
結局、この企画展で気に入った絵のポストカードと、マスキングテープを買いました。
マスキングテープはゴーガンの『海辺に立つブルターニュの少女たち』がデザインされています。
【開催概要】
『憧憬の地 ブルターニュ ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷』
会場 国立西洋美術館
期間 2023年3月18日(土)― 6月11日(日)
開館時間 9:30~17:30(毎週金•土曜日は20:00まで)
休館日 月曜日 ※3月27日(月)と5月1日(月)を除く