6月頃神社に行くと大きな茅の輪が境内に置かれているのをみかけます。
神社を詣でたときにその茅の輪をくぐった経験ありませんか。
それは神道の儀礼で大祓(おおはらえ)、または夏越し(なごし)の祓(はらえ)ともいいます。
『チラシミュージアム』というアプリで神社で行われるこの祓についての企画展が開催されるのを知って見に行きました。
『祓ー儀礼と思想ー』展です。(開催期間は7月9日で終わっています。)
会場は渋谷の國學院大學博物館です。
この展示では特に6月と12月の末日に行われる「大祓」(おおはらえ)の儀式と神の前に読み上げる詞(ことば)と儀礼の変遷、学問としての大祓の研究の変遷などを書物や絵画資料や大祓の用具などを展示していました。
特に神様に奏上する詞(ことば:祝詞のようなもの)である「中臣祓(なかとみのはらえ)」の時代ごとの注釈書などが多く展示されていました。
具体的に大祓の儀式と歴史についてをかいつまむと......
大祓は罪や穢れを祓うため、6月と12月の晦(つごもり:末日)に人形(ひとがた)を体に撫でて使うなどの祓の用具を用いて『大祓詞(おおはらえのことば)』を神前で読み上げる儀式です。
大祓の歴史は神話の時代に素戔嗚尊が高天原で稲作や祭祀を妨害した罪(天つ罪)で天上を追放されたことが起源とされています。
古代には国家として6月末日と12月の末日に朝廷の官人の半年間の罪を消すために朱雀門の前で行われていたようです。
儀式に使用される祓用の用具は道教の影響を受け、人型(ひとがた)を儀式に使うようになりました。
その後大祓は平安時代には貴族や個人にも穢れや邪気などを払う為に祓を行うようになり、儀礼も詞も密教や陰陽道の影響を受け、法師の陰陽師が儀式を執り行うようになります。
また朝廷での儀式は応仁の乱以降廃れていくことになります。
時代を経て江戸時代になると、朝廷での儀式は復活し、神社ごとに大祓を行うようになってました。
また儒学の影響が詞に表れ、神道を理論化していくことになります。
この頃に神社の社頭で茅の輪が置かれ、身を清めて厄災を払うために茅の輪を八の字にくぐる儀礼が始まったそうです。
といった感じになります。
展示は「そうだったのか、なるほど。」と思うのもあり、神社に行っても知っているようで知らないことが多いのだなとしみじみと感じた展示でした。
しかし神道で使う言葉は読むのが難しいですね。
ルビふってないとちょっと読めない…。
入場無料は嬉しかったです。
【開催概要】
『祓(はらえ) ー儀礼と思想ー』
会場 國學院大学博物館
会期 令和5(2023)年5月20日(土)~ 7月9日(日)
開館時間 10時~18時(最終入館17時30分)
休館日 月曜日(祝日の場合は開館)
入館料 無料
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