my museum pieces

美術館や博物館の展示、映画などいいなあと思ったことについて綴っていきます。

特別展 「中尊寺金色堂」展 レビュー

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いやあ、眼福でした。

 

 

こんにちはコヨコヨリです。

 

 

 今回は東京国立博物館で1月23日から開催されている特別展「中尊寺金色堂展」に行

ってきました。

 

 桜の開花後初の晴天の日、上野公園は五分咲きの桜が咲いてる中、平日にも関わらずすごく多くの花見客が来ていました。

 

 

露天の飲食店も沢山出店していて、ついついクラフトビールを買ってちょっと味わいながら東京国立博物館に向かいました。

 

 

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東博の本館に着くと、「中尊寺金色堂展」の列にさっそく並ぶと、最初60分待ちのアナ

ウンスだったのですが、幸い30分程度で中に入れて助かりました。

 

 

 

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 展示室の入り口を入るとすぐに中尊寺金色堂の8K映像を大画面で流していて、金色堂

内の須弥壇螺鈿細工や装飾と仏像群が鮮やかに映し出されていて、ちょっとした没入

体験ができる導入になっていました。

 

 展示室に使われた特別室は、特別展に使われる平成館に比べると、大分小振りな広さ

なのですが、本館内なので天井など見上げると、本館特有の天井が高く優雅な細工のあ

る趣のある部屋でした。

 

 

展示室に入って驚いたのが、11体の仏像群です。

 

写真で見た印象より、それこそ京都奈良の寺院でみる見上げる大きさを想像したのです

が、随分と小振りな大きさでした。そして金箔が綺麗に残されていました。

 

 

 

そして、近くでみると本尊の阿弥陀如来坐像平安時代の定朝様式を感じる豊かな体躯

に切れ長の瞳に引き締まった口元が鎌倉時代の運慶などの慶派を思わせる表情が合わさ

って、12世紀の時代の過度期を感じさせます。

 

 

勢至・観音菩薩の脇侍や6体の地蔵菩薩もやはり柔らかな体躯は平安的で、顔だちは品

のある切れ長の瞳とリアルな口元。地蔵菩薩には衣に薄っすら文様が残っていました。

 

 

 

持国天増長天の二天は「阿」と「吽」に口を動かした表情はリアルさと柔和さを兼ね

備えていて、躍動感のある立ち姿は鎌倉時代の仏像を感じさせました。

 

 

 地元神奈川の同時代の仏像を見た時はもう少し素朴かつ画一的な印象を受けたのに比

べ、おそらく京から腕の良い仏師を呼び寄せたのかも想像を巡らしたくなるくらいどの

仏像も品と風格がありました。

 

 

 他には藤原基衡が埋葬された「木棺」(金が塗布されている)と副葬品の錆びた太刀や

ガラス玉の装飾品、奥州藤原氏の財の源の「金塊」など平安時代当時の埋葬状況が分か

る史料や、南北朝時代の武将、北畠顕家が書いた中尊寺建立供養願文」など貴重な資

料が展示されていました。

 

 

仏教美術としては、堂内を飾る金銅製の「盤」や空想上の鳥、迦陵頻伽を文様とした華

「金銅迦陵頻伽華鬘」など美しく細かい細工の金工品や螺鈿細工が施された机など平

安時代期の贅沢かつ優雅な装飾品を間近に見ることができました。

 

また、仏陀のエピソードを曼荼羅のように配置し、中心に配置された宝塔を金字で数ミ

リの大きさの経典の文字で描く「金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅という絵画は、まさ

しく単眼鏡で必須の極小の文字で構成されていて、印刷もないこの時代に手書きであれ

だけ書けるのは信心故、なんだろうなと感心しました。

 

 

 展示の最後には縮小された中尊寺金色堂の模型が展示されており、撮影OKだったので

撮影させていただきました。

 

 

 

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中の須弥壇も見事に再現されています。

この須弥壇の上にあの仏像があったのですね。

 

 

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 中尊寺金色堂は一度は訪れたいと思いながらも行くことができなかったのですが、平

泉でも間近で見られるとは限らない本尊が東京に来るとは思っていなかったので今回の

特別展にきて本当に良かったです。

 

展示品もそれほど多くないけれど、質の高く、奥州藤原氏の材力が伺い知れる貴重な史料だったのでじっくりと見ることができ、嬉しいです。

 

それに奥州藤原氏もどこか距離的にも時代も遠くに感じていたのが、今回の展示で「実

在した」という感触を得られることができたのは大きな収穫です。

 

4月14日(日)までという残り少ない会期ですが皆さんもぜひ、足を運んで頂けたらと

思います。

 

 

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